21世紀に入って、社会の様相は大きな変化を遂げました。
きのうの常識が通用せず、あしたの予測も難しい時代、あらゆる分野で物事が壁にぶつかり、出口を模索しているかのようです。このような状況にあって、グラフィックデザイナーに求められる役割は大きく変わってきました。問題解決の手段として、人々がヴィジュアル・コミュニケーションに期待を寄せ始めたからです。
グラフィックデザイナーには、時代を読む能力があります。社会のニーズを探り、必要なものを形にする力があります。この職能がいま、印刷というメディアを超え、幅広く社会で活躍する場を創出しているのです。
全国の町づくりや地域の活性化にグラフィックデザイナーが参加することは、もはや珍しいことではありません。工業デザインや建築の分野にも、グラフィックの感性は活かされています。
また、ヴィジュアルという共通言語を通し、国境を超え、日本のグラフィックデザインは世界にも進出しています。
JAGDA(社団法人日本グラフィックデザイナー協会)は、約2,800名の会員を擁する日本で唯一のグラフィックデザイナーの全国組織です。その活動は、年鑑の発行に始まり、展覧会やシンポジウムの開催、デザイン教育、地域振興、会員の権利保全や福利厚生までと多岐にわたります。これらの活動を通して JAGDAは日本のグラフィックデザインの発展に大きく寄与してきました。これからはさらに幅広い視野をもって、領域も国境も超えたダイナミックなデザイナーの活躍を支援していきたいと考えます。
時代は、いま、デザインの力を必要としているのです。

01. 広く社会や行政に向き合い、コミュニケーションにおけるデザインの可能性を問いかけ発信する。
02. グラフィックデザイナーの職能の意味、役割、誇りを共有することで連携を持つ。
03. 安心して仕事ができる環境を整備するとともに、職能の権利を保全する。
04. 世代を超えてデザインの価値と伝統を受け継ぎながら、若い才能を啓発し、発見し、世界に送り出す。
05. 日本の伝統と文化を継承し、更にグラフィックデザインにおける新たな発展と進化を目指す。
06. 世界のデザイン活動の諸相との交流を深め、活動の意識と範囲を広げる。